【教育留学レポート#3】英語が苦手だった私が”英語教師”を目指して海外に飛び出して得たもの

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 目次

  1. 自己紹介
  2. 現地教育活動報告
  3. 今後に向けて

自己紹介

1.名前、所属、_期生

利内美樹、福井大学教育地域科学部学校教育課程(4回生)、トビタテ2期生 (多様性人材コース)

2.私の”教育留学”

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私は「青年海外協力隊の一員になる」という夢と「英語教師になる」という夢がある。12歳の時に、社会の授業でこの一枚の写真に衝撃を受けた。世界の現状に目を向けるごとに、不条理な世界があること、同じ年の子どもたちが想像を絶するような状況での生活を強いられていることを知り、私には何ができるのかを考え、「青年海外協力隊の一員」を目指すようになった。

また、身近にいた先生に憧れを抱いていたこと、人の役に立ちたいを考えていたことから、教師を目指すようになった。なんとなく入ったコースが一番苦手な英語教育コースだった。そこから、英語との闘いが始まった。大学でどんなに英語を勉強しても、中学生・高校生のときに英語がとても苦手で、5教科の中で最も点数が取れなかったというトラウマを克服することができなかった。また、そんな苦手意識をもつ英語を子どもたちに教える自信がなかった。しかし、塾でのアルバイトや教育実習で英語を中高生に教えるうちに、英語が嫌いだからこそ、英語が苦手な生徒の気持ちがわかることに気がついた。このような自身の経験を踏まえ、英語を苦手にさせないためにはどのような伝え方や授業がいいのか、タスクがいいのかを考えるうちに、海外で行われている英語教育から学び、コミュニカティブな授業を日本にも生かしていきたいと考えたと同時に、私が一英語学習者として英語に自信を持ちたいと考えたことが今回の留学のきっかけである。

さらに、高校生の時に教科書に記載されている「異文化」はアメリカやヨーロッパなどの国が多いが、興味がある国はアジアやアフリカだった。その一方で、アフリカやアジアの国が「発展途上国」として取り上げられ、貧困やストリートチルドレンなどの問題が取り上げられていることが多いことに違和感を覚えた。

学習指導要領の中にも英語教育を通して、「国際理解」の要素を含ませることが書かれているが、そもそも「国際理解」という言葉は何なのか、を考えてみたくなった。世界の現状や問題を理解し、解決に向けて一緒に考える姿勢も国際理解だと私は考える。そのような姿勢を英語教育で身につけてさせるために、まずは私が世界を知る必要があると思い、今回カナダとウガンダの留学を決意した。

現地教育活動報告

1.活動国、地域

ウガンダ・ナンサナ

2.活動受け入れ先

Step by step primary school

UPA (Uganda Pioneer Association)の紹介で現地の小学校で活動しました。UPAは、ウガンダにおいてボランティアを必要としている団体にボランティアを派遣している団体である。

※国際ボランティアNGOであり、NPO法人のNICEの紹介でUPAを知りました。NICEは、他国のボランティア団体をつなげる役割をしている。

3.活動内容

#英語教育

カナダで学んだ教授法を実践活動に取り入れた。ウガンダでは第二言語として英語を使っているため、児童の多くは英語を話し、聞き取ることができる。しかし、書く・読む、正しく話す能力が身についていないことから、授業の多くは文法を教えたり、正しく読んだりすることが主だった。学習環境は教科書は教師しか持っていないし、もちろんICTなど機材もない。一方で、児童は英語を使って話し合うことやゲームをすることさえ難しいような学習レベルであったため、授業作りにも様々な困難があった。

民族が多く、その間のコミュニケーションツールとして英語がある。また、英語が一つの社会的地位を示す指標になっていることから子どもたちはしっかり英語を学ぼうという動機づけがされていると感じた。

#異文化理解

ウガンダでは、「私」という存在が子どもたちにとって異文化だった。そこで、ウガンダの伝統布で浴衣を作り、その浴衣を着て授業を行ったり、図工という教科がなかったため、臨時で時間を作り、ひな祭りやホワイトデーにちなんで、折り紙でお雛様やハートを作ったりした。そうしていくうちに、英語を使って私と関わることができると子どもたちが理解し、日本はどういう国なのか、何を食べているのかなどを訪ねてくるようになった。

また、休日は孤児院でボランティアをしていたのだが、そこではスポーツフェスティバルを開催し、スイカ割りやリレー、パン食い競争を行いスポーツの振興と日本の文化を伝えることができた。

4.活動を通しての私の”学び”

Englishesの存在と受け入れ

カナダやウガンダで生活していた時に、本当に多様な「英語」に出会った。韓国英語、中国英語、ブラジル英語、ウガンダ英語。。。日本で正しいとされている「アメリカ英語」「イギリス英語」を聞くことは稀。しかし、日本やアジアの国では「アメリカ英語」や英語母国語圏の英語を正しいとする認識が強く、他国の英語を認めないとする姿勢があるとカナダで痛感した。日本人同士においても英語をネイティブ並みに話している人がすごいとされ、英語をあまり話せない人たち、発音や流暢さがネイティブの人と比べて劣っている人たちはあまりよくみられないとされるヒエラルキーがあることをカナダで体験した。

様々な英語を受け入れる姿勢を持つことがグローバル人材育成に欠かせない、そして今後世界で活躍していくために欠かせないことなのではないかと考えるようになった。第二言語や外国語として英語を使う人口の方が多い中で、それぞれの国のアクセントや特徴を受け入れる姿勢こそが、多様性を認め、共存していく上で欠かせないと強く感じた。

英語の多様性を学ぶことは異文化理解につながり、私が目指したい「国際理解」につながるのではないかという新たな視点を得ることが出来た。今後は、英語の多様性に生徒が触れることが出来る授業を作っていきたい。

”Where are you from?”

カナダは多くの移民で成り立っている国である。中には二世・三世がおり、いまだにその人の見た目でその人がどこの国の人なのかを判断するところがあると感じた。私の友だちはアフリカ系移民でカナダに生まれた二世でカナダ人である。彼女はよく「アフリカのどこから来たの?」と言われることが多かったそう。それは見た目によって判断されることで、彼女が「カナダ人なのよ」と小さく呟いていた場面が印象的だった。

見た目でその人がどこの国出身なのかを判断することで、移民やその国で生まれ育ってきたその人たちの考えや背景を否定してしまうのではないかと考えるようになった。グローバル化が進むにつれて、違う国から来た人たちが一つの国で生活するということは不思議ではなくなってきている。その人たちはその国の人として生活をしている。そういった点から、どこの国から来たのか、という分類を知らず知らずのうちに私は見た目で判断していたことを知り、知らず知らずのうちに「差別」をしていたことにショックを受けた。

どうして英語を学ぶの?

「英語をどうして学ぶのか」をしっかり教師自身が目的意識を持つ必要がある。これは、留学先で手紙を実習でお世話になった小学校と手紙交換をしているときによく聞かれた質問である。「どうして英語を学ぶ必要があるのか」という問いを投げかけられた時に私はこれまでそのことに疑問を感じたことがなかった。そのため、その手紙に対し、英語を学ぶ意義について上手く答えることができなかった。子どもたちに英語を学ぶ必然性があると明確に示すことは難しいと思う。世界の実情や英語を学ぶ楽しさと知見の広がる楽しさは子ども自身で感じ、学ぶ意義を見出していくことだからである。だからこそ、英語を教える教師が、英語をどうして教える必要があるのか、を考え、子ども達が「英語を学ぶ意義」を小学校・中学校・高校、そして生涯にわたって考えられるきっかけづくりをしていくことが大切なのではないかとウガンダでは感じた。例えば、社会や国際問題のようなものを考えるときに、世界の意見はどうなのかというものを新聞やwebで調べさせると英語を介して世界とつながるような感覚になるのかなと思った。どんなに子どもたちに英語を学ぶことは大切だと言っても百聞は一見に如かずで、実際に英語を必要とする場面に出会わないとその大切さはわからないと思う。だから、どうして英語が必要なのかを教師がしっかり考え・目的を持つことで、その大切さを伝えるための授業やその手段を考えることができると考える。

私の教育留学での”学びの価値”

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教育者(日本の教育に携わる者)を目指す学生として、私の海外での学びの価値は英語教育の可能性を知ることができたことである。多様な英語を受け入れることが多様性への受け入れにつながり、私が考えるグローバル人材は「異なる意見や文化を受け入れ、新たな価値を創造する人」だ。そのためにも、多様な英語を認め、多様な価値観、考え方を受け入れる機会を英語教育のなかで作ることができると確信した。また、世界の課題に目を向けること、異文化理解を介した自文化理解を行うことで日本を知るきっかけにもなると気づいた。教育が子どもたちの価値観を形成するということをウガンダやカナダにおいて強く感じた。だから私は、今回の留学を通してグローバル社会で活躍する日本人育成をする上で、英語教育が担う役割の重要性を学ぶことができ、今後教員として働くにあたり、新たな方向性と軸を得ることが出来たと感じている。また、ウガンダで強く感じたことは、「相手の文化や背景をまずは素人する態度」が大切だと感じた。これは、ウガンダで活動をする際に強く実感したことで、自国の文化ばかりを紹介しようとしていては聞いてもらえないことが分かり、活動にもなかなか協力してもらえなかった。しかし、ウガンダの言葉を学び、食べ物や習慣について学ぶにつれて、ウガンダの人たちも心を開いていってくれたように感じた。このように「相手の意見・文化を知る姿勢」が大切なのだと感じた。このことは、学校においても言える。「子どもを知る」ということはよく言われているが、教師がまずは子どもたちのことを知ろうとする姿勢が、教師と子どものつながりを強くすると感じた。

日本では決して体験できなかった「異文化体験」「他者理解」「英語の多様性」というものを英語の授業で培うことが出来ると信じている。私は一学習者として、教師の卵として、実際に体験したことで、これらに気付ことできた。この学びを自身の授業に生かすとともに、そのような授業を普及させていきたい。

今後に向けて

来春から中高の英語教師として福井県で働くことが決まった。福井県では今「英語が使える日本人」の育成や「グローバル人材」育成に力を入れており、留学プログラムや国際コースも充実してきていることから、中学生・高校生に向けて「グローバル人材」とは何か、「世界の中の日本」は何かなど、自身の経験も踏まえて授業やその他の企画を作っていきたいと考えている。

また、現在構想しているものの中に、トビタテ!生の留学エピソードや写真、動画をサイトに集め、小学校から高校までが使える英語教育・キャリア教育の教材づくりをしたいと考えています。留学をしてみて、相手に文化を受け入れることや世界を知る機会をより多く教育現場に取り入れる必要があると感じたからである。実際に教師が国の情報を集めることは時間上厳しいため、サイト内で間作すればほしい情報が出てくる、またそれをICTを活用して子どもたちに広めることで、あまり知ることのなかった日常などを広めることができる。その中で国際理解を促すことができればと思っている。また、キャリア教育の一環として研究で留学された方や交換留学で留学された方など、「どうして留学しようと思ったのか」「その留学の先にどのような進路があるのか」などを子どもたちが知ることで、将来の選択肢が増えると思っている。

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