オーストラリアからのトビタテ便り 1 ~ 憂鬱なPhysicistがみる太陽電池の世界

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初めまして、9月のトビタテ便りを担当するトビタテ1期生の樋口と言います!

 

まだ、ここの日本代表選手紹介で自分の自己紹介を書いていないので、最初に簡単に自己紹介させてください。

(1) 自己紹介

名前:樋口 進哉

出身:徳島県

趣味:スポーツ、人と話すこと、映画、読書

大学:島根大学 総合理工研究科 理工・医連携コース (M1休学中)

専攻:物理 (研究内容は太陽電池)

留学内容:フィリピンで2週間のボランティア。その後、オーストラリアで11か月間、太陽電池の研究生活。大学の研究グループのポスドクや博士の学生たちに混じって、研究プロジェクトを進めています。(2016年3月まで)

僕の住むNewcastleはビーチが有名

僕の住むNewcastleはビーチが有名

上から見るとこんな感じ

上から見るとこんな感じ

 

さて、トビタテ便りですが、「誰が見るんだよ、需要あるのかよ」っていうマニアックな話をしろということです。

ただでさえ、物理専攻と言うだけで、”Oh…(察し)” みたいな反応をされるのに、ここでさらにキモくなれと言うのだから、もうドMじゃないとやってられないもんです。

でも、自分から「やります!」とお願いしたことなので、一生懸命やります。

ちなみに、ベジタリアン(文系の方)にも食べてもらえるように、肉の入ってない料理も用意していきたいと考えています。

また、タイトルですが、自分は研究において憂鬱なことが多く、専攻が物理なので、そのようなタイトルにしました。Physicistというと、「物理学者」という意味になりますが、普通の学生です(笑)ただ、自分の所属している研究チームには色々な分野の人がいるので、物理出身はPhysicist、化学出身はChemistという感じで呼ばれます。

そして、このトビタテ便りは全4回構成ということで、だんだんと内容を深くに絞り込む方式にしていきたいと思っています。(下図参照)

第1回…太陽電池とは何者か。

第2回…太陽電池は今日も発電する。で、どうして?

第3回…太陽電池の家族を紹介しよう。

第4回…樋口とツンデレ太陽電池 (研究内容)

専門領域のイメージ図

専門領域のイメージ図

(2) そもそも、物理って面白いの?

結論から言います、物理と言う学問はなかなか「キモい」です。天才な物理学者たちにも変人は多くいます。(僕は変人じゃないです、シャワー中を除いて。)

そして、物理と聞くと、何を想像されるでしょうか?福山雅治が主演だったドラマのガリレオなんかも、物理教授という設定ですよね。物理は、小さいところでは素粒子から、大きなところでは宇宙まで幅広いです。

さて、理系学生なら、高校時代に物理か生物か(地学も?)の選択を迫られ、うちの高校ではほとんどの男子が物理を選びました。そして、多くの人が「なんだこりゃ!」と悲鳴を上げる。それもそのはず、「これは運動方程式でF=maで表され…。」なんて、式交えた話が始まるからです。その式たちがしばしばパニックを引き起こすんですね(笑)

でも、自分たちは多くの物理現象を生活の中ですでに知っています。例えば、ボールを手で持って、離すとどうなるか?正解は下に向かって落ちる。日ハムの大谷投手の160km/hのボールと僕の投げる80km/hのボール、どっちがぶつけられたら痛いか?こういったことを式に表して、実際に計算するのが物理なわけです。

ということで、このトビタテ便り。読者の方に次の2つのうちの1つをしていただければと思います。

1つは、「物理現象を理解する。」式や図を見て、なるほどそういうことかと思ってくれれば、幸いです。

2つ目は「物理現象を楽しむ。」式なんて、どうでもいい。とりあえず、こういう現象が実際に起こって、「へぇ~、おもしろい」ってなってくれれば、嬉しいです。

 

(3) 太陽電池って何?

みなさん、太陽電池は見たことありますよね?そうそう、こういうやつですね。

太陽光パネル

太陽光パネル

今となっては、どこででも目にするようになった太陽電池。ちょっと、外を歩けば家の屋根やら、街灯についてたり。

ちなみによく見る太陽電池はすでに加工された太陽パネル (太陽電池モジュール)というものです。小さな太陽電池(素子)を集めて、パネル状にしたものです。

そして、太陽電池とは光起電力効果を用いて電力を生み出す機器です。簡単に言うと太陽光で発電するものです。原理については、第2回でお伝えします。

太陽電池のメリットはクリーンエネルギーということ、どこにでも設置できること、メンテナンスが難しくないということ。[1] さらに、シリコンを用いた太陽電池(よく見るやつ)の場合は、砂から高純度のシリコンを取れるので、砂漠近くに工場を持つと、生産性が高いです。[2] 一方、デメリットは発電コストが高いことと、天候に左右されやすいということです。

さて、太陽電池を語るうえで外せないのが、変換効率です。変換効率とは、照射された太陽光のエネルギーのうち、何%を電力に変換できるのか、というものです。[3] 例として、家の屋根に付いてる太陽パネルの変換効率は高くて20%程度です。[4] ちなみに、太陽電池の研究者たち、かなり変換効率に貪欲です。テストの点のようなもので、必ず実験後は最初に「最高変換効率は?」と聞いてきます。高ければガッツポーズ、低ければ落ち込みます(笑) また、よく聞く話でゴビ砂漠に変換効率10~15%の太陽電池を敷き詰めれば、世界中の全エネルギーをまかなえるだけになります。[5] もちろん、そんなことは自然破壊だし、現実的には不可能だと思いますが。

(4) 太陽電池の使われ方

最後に太陽電池がどう使われているかについて説明します。もちろん、身近なものなら電卓や家の屋根にあります。その他には、人工衛星の羽みたいな部分にも太陽電池が使われています。また、世界の貧困者を助ける目的のソーラーライトなどもあります。例えば、NPO法人コペルニク[6] ではソーラーライトやソーラー電灯を貧困者に提供しています。

人工衛星

人工衛星

また、自分も太陽電池をどう使うといいかを考えたことがあります。昨年の3月に沖縄の沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、英語プレゼンテーション研修があり、それの応募の際に1分の英語のビデオを作りました。テーマは「太陽電池でマラリアを防ぐ方法」というものです。短いので暇な方はぜひ、ご覧ください。

 

それでは、第1回はこの辺にしましょう。今回取り上げたのは、すごく基礎的な部分、一般常識的な部分です。第2回では、原理なんかを説明します!ぜひ、また読みに来てください。お願いします。

 

質問、感想等がありましたら、お気軽にご連絡ください。

留学相談したい方は、Diverseasからどうぞ

 

引用・参照リンク

[1] 太陽発電協会 http://www.jpea.gr.jp/knowledge/merit/index.html

[2] 日経新聞http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB08019_Y3A500C1L01000/

[3] 産総研太陽光発電工学研究センターhttps://unit.aist.go.jp/rcpvt/ci/about_pv/principle/principle_4.html

[4] ソーラーパートナーズ 東芝太陽光発電システムの特徴 http://www.solar-partners.jp/maker/choice/toshiba/

[5] かしわエコサイト http://www.ecosite.jp/e-solar/

[6] NPO法人 コペルニク http://ja.kopernik.ngo/technologies

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