医療スタッフの感染症についての基礎知識および具体的な予防、感染症対策のマネジメントを向上させる

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ホホウ! 本日の更新は井上琢斗さん(新興国コース/カンボジア)の日本代表選手紹介記事です。「何も起きないことが一番」そう語る彼の真意は、予防医療領域にありました。日本では正解なことが、海外では違うことも。要チェック!

コンテンツ

1. 基本情報
2. 留学に対する想い
3. 留学概要
4. コンタクト

 

1. 基本情報

氏名:井上琢斗
トビタテ所属:1期生(新興国コース)
留学先:カンボジア(プノンペン)
受入れ機関:NPO日本医療開発機構
所属:徳島大学大学院 先端技術科学教育部 物質生命システム工学専攻 生命テクノサイエンスコース 2年
出身:徳島県
出身高校:徳島県立城北高等学校

2. 留学に対する想い

「何も起こらないことが勝利」

私は「人々に何も起こらないようにすること」を目標としています。
これは、人々が怪我をする、感染症にかかる、大切なものを失うなどといった悲しい出来事を自身の介入によって防ぐということです。
例えば日本の道路にはたくさんの標識や信号機がありますが、もしこれらがなければ交通事故による死傷者ははるかに多くなったでしょう。
今では世界中のどこでも手に入る石鹸が、もしこの世に存在していなければ、多くの人々が感染症によって苦しんだでしょう。
信号機があるから、石鹸があるから、事故に遭わずに、病気に罹らずに済んでいる人々がいます。

これらがあるから、何も起こらずに生活できている人々がいます。

このことを達成することが私の人生の中での勝利です。

「0×0=0」

私は以前から貧しい人々の支援活動に関心がありましたが、一方で疑問もありました。

「本当に彼らのためになっているのだろうか」

彼らの声に耳を傾けずに自身の正解を押し付けてはいないだろうか。
その正解は果たして彼らにとっても正解なのだろうか。
単純にやりたいからする、できるからするといった施しになってはいないだろうか。
その施しは結局自己の欲求を満たすだけになってはいないだろうか、と。

日本では正解であることが、他の国では間違いとなることもあります。
何か問題に取り組む際は必ずその場の人々、環境、そして現在が築かれた背景について考えて答えを導く必要があります。
つまり、支援に絶対的な正解というものはなく、常に正しいのは正解を導くプロセスだけです。
よって、貧困に対する支援では現地の人々と共に0から考えることが重要であると考えています。

このことから、「施しではない、現地に根付く医療を」を理念とする受入れ機関のもとで、団体の活動先であるカンボジアでのインターンシップを行うことに決めました。

カンボジアにある0を、カンボジアの人々と共に0から取り組み、人々に何も起こらない0の状態をつくること、これが私の留学の目標です。

 

3. 留学の概要

「背景 ‐カンボジアの感染症問題‐」

カンボジアでは、病院内の衛生環境は先進国と比較して劣悪であり、病院内で起こる感染症のリスクが高いことが報告されています。World Life Expectancyによると、カンボジアの年間死因別死亡率(2010)の第1位はインフルエンザ・肺炎(15.18%)、第2位が結核(11.21%)と、感染症による死亡例が死因の大部分を占めています。この要因として、カンボジアの医療従事者の感染症に対する理解の不足及び院内環境の不備が指摘されています。

「目的 ‐院内感染を減らすために‐」

現在所属している団体が介入しているPreah Kossamak Hospitalで、医療スタッフの感染症についての基礎知識および具体的な予防、感染症対策のマネジメントを向上させること

「どのように取り組むか」

プロジェクトの3つの軸
1. レクチャー
感染症防止に関するレクチャーを実施
2. モニタリング
毎月手指衛生の遵守率を測定し、その推移を調査
3. 物品提供
感染症防止関連の製品を製造している企業様より物品協賛をいただき、当病院へ提供

「成果物 -何をもって成果を判定するか-」

・WHO準拠の手指衛生遵守率のモニタリングデータ
・手指消毒剤の消費量推移データ
・感染症対策の実施・分析・評価とアウトカムの改善までのマニュアル
・病棟の環境改善(感染症予防関連のポスター作成および物品管理マニュアルまたは担当人員の設置)

 

「パートナーシップ」

協力者(カンボジア):日系衛生関連企業、Preah Kossamak Hospitalの院内感染対策チーム、感染症対策支援の仏系NGO
協力者(日本):日系衛生関連企業、インフェクションコントロールドクター、感染管理看護師

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ABOUTこの記事をかいた人

トビタテ1期。徳島大院卒。専門である病原微生物学の知識を活かし、カンボジアのプノンペンで感染症予防プロジェクトの立上げ・運営を行う。