ラオスからのトビタテ便り1〜先生でも生徒でもない視点から見る教室〜

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未来の教員を養成する地方の師範学校にて

ホホウ! 本日の更新はラオスからのトビタテ便り1〜先生でも生徒でもない視点から見る教室〜です。引きこもりから一転、ラオスで教育を良くする仕事を始めた高木くん。一体なにがあったの!? 留学先の壁を壊したのは桜を植えること? 要チェック!

トビタテ便りとは

トビタテ便りの詳細についてはこちらのページをご確認ください。世界中に留学しているトビタテ生から、週に1度1ヶ月の短期集中連載を行ってもらっています。ルールは2つ。「留学先の写真を載せてもらうこと」と「普通の友達には話せないような濃ゆい専門の話を思う存分ぶちまけてもらうこと」です。

7月のトビタテ便りも3人のトビタテ生に描いてもらっています。本日の便りは、ラオスでe-Educationを広めている高木一樹くん! 誰もが教育を受けられる世界を目指す彼の奮闘を応援!

本文

ラオスからのトビタテ便り「生徒でも先生でもない視点から見る教室」

こんにちは!サバイディ!

トビタテ1期生・e-Educationラオス担当の高木一樹です。

自己紹介記事はこちら
1483018_186126081588515_1436234657_nまず第一回目の投稿は、現在の活動に至るまでの経緯についてお話します。
当時の自分の日記を参考になるべくストーリー形式を取ります。

専攻は教育ではありません。教育学をもとにした学術的な文章を書くことはできませんが、生徒でも先生でもない位置からずっと教育現場に張り付き、実施活動を行って見てきたありのままをお伝えします!

    目次

  1. 原体験から生まれた自分のやりたいこと
  2. 誰しもが持っている変化の引き金をひく
  3. ゼロからのスタートと大きな失敗と転機
  4. 桜植え参加の一歩から生まれた新たな挑戦

1.原体験から生まれた自分のやりたいこと

何かに不満を抱えたまま一歩踏み出すことを断念してしまうのは、経験上何としても阻止したいという強い思いがあります。
なぜなら私もかつて高校時代は落ちこぼれた果てに引きこもりとなり、自分の希望・未来を一度は断念したひとりだからです。

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引きこもり明け

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高校2年生の頃

しかし、あるひとつの小さなきっかけから周囲との繋がりを持ち、そこから生まれた「一歩」があったからこそ、
おもしろい世界を知り、未来に向かうワクワクを取り戻すことができました。

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フィリピンのとある地域へ住み込みながら人々の温かさに触れた

自分が変われたように、誰かが変わるひとつのきっかけを生む。
それが今の私の夢です。

2.誰しもが持っている変化の引き金をひく

その夢を抱きながら、小さなご縁でやってきた緑豊かで温かいラオスという国で、
誰かの「一歩」のきっかけになることを目指し、DVD/CDを活用する教育プロジェクトの立ち上げに挑戦を始めました。

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映像撮影の合間の風景

これまでの調査で得てきた現場の声を頼りに、現在は現地で出会った仲間たちと一緒に協力して、
なかなか「一歩」踏み出せないでいる学生たちが突き進んでいけるようなモノを作ろう!
そう意気込みながらDVD/CDを利用した教材を作り、実際にいくつかの学校へ導入も行いながら試行錯誤しています。

(・・・このお話は連載のメインにしていく予定なので、次の記事から内容を詳しく紹介していきます。今回は前置きとしてそこに至るまでの話をさせていただきます。)

何かを作る上で私がどうしても大切にしたい言葉があります。
「現地人の・現地人による・現地人のための○○」という3つの言葉です。
どこかで聞いたような言い回しかもしれませんが、ご了承ください!

これは私ひとりの力で何かを考え作り上げ何かを達成するよりも、現地の仲間と一緒に何かを考えて、
それに向かって一緒に試行錯誤し、自分たちで作り上げたという強い思い入れと、
そこから得られる互いの自信や共通の思い出、そして小さな成功体験を、少しずつ築いていきたいという思いからです。

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地方の南部の師範学校でお世話になった先生や学生

そう考える理由はいたってシンプルで、まず、絶対その方が楽しいです。
お互い根っこの部分から話し合ってスタートしているということもあり、熱も生まれます。
私が帰っても一緒にskype等でお互いの元気な様子を互いに確認しながら続けることもできるはずです!

実はこれ、ラオスに来て多くの失敗を重ねた後、ようやく気付くことのできた3つの大切な言葉です。
それに気づくまでの経緯は下の「3.ゼロからのスタートと大きな失敗と転機」にてお話します!

次回の記事から、この言葉を本当にしっかり守って活動できているかどうかという視点で読んでいただけると
おもしろいかもしれません。

3.ゼロからのスタートと大失敗と転機

熱い思いを抱いてラオスへやってきた私でしたが、人脈なしの0の状態からのスタートでした。
日本で事前にできる準備や情報収集は入念に行いましたが、
現場の声を聞かないことには始まらないという思いから、当初はとにかく走り回りました。

  • 現場でのニーズ調査(聞き込み調査/アンケート調査等)
  • 教育に関わりのある方へのインタビュー
  • プレゼンをして回りプロジェクトを一緒に行う共感者を探す
  • 現地の方との人脈の輪をどんどん広げ積極的にお話を伺う
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首都の大学生や教授へインタビュー

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地方南部の師範学校でアンケート調査

当初は知らないこと・なかなか見えてこないことが非常に多かったので、周囲に対して常に大きな壁を感じていました。
しかし、上に挙げた例のように行動を起こすにつれて大きな壁も次第に小さくなっていきました。

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南部の高校で見た8県同時生中継映像授業

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教授法の授業の見学

壁が小さくなったことで、人脈も広がって色んな話が入るようになり、現場ニーズも徐々に見え隠れしてきました。
その後、何度かプロジェクト立ち上げに交渉・プラン改善を繰り返す日々が続きました。

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師範学校の数学科の先生へプレゼン

最終的に、先生・学生・私を学校へ紹介して下さったJOCVの方に賛同いただけるプランが出来上がりました。
それは・・・

未来の教員を養成する師範学校にて、学習へ不安を抱く学生たちが「学習状況スタンプカード」や「先生陣からの定期的な助言」を下に、校内で作った映像授業を次の授業までの待ち時間などの隙間時間に活用し、パソコン室を利用して、基礎をもう一度学べるようにする

というモデルでした。

学年が上がれば上がるほど、基礎を学ぶ機会は減ってしまいます。先生も時間には限りがあるので、ひとりひとりの学習にしっかり付き合って見てあげられる時間もありません。しかし映像として一度残してしまえば何度でも再生可能となるため、生徒の補助教材として毎年撮り溜めていくことによって、いずれ多くの学生の役に立つ可能性も上がっていきます。

将来先生として教壇へ立つことに不安を感じる学生が、この教材を利用することで少しでも自信をつけて、
卒業後、新たに先生として各地へ胸を張って飛び立っていけるようにという思いから生まれました。

「もしこのモデルが現場に浸透して実績が出始めたら、首都ではなく、地方発のおもしろい取り組みになるのではないか!?」
そう思うとワクワクしました。

校内で授業作成や実施に協力してくれるという方も既に馴染みある現地の方を中心に声をかけて何人か集まりました。
撮影を受けてくれる先生。撮影に協力してくれる学生。顧問のような立ち位置から映像へのアドバイスを行ってくれる先生。

しかし、開始しかけたように見えたこの活動も、結局自分の力不足でうまく進めることができませんでした。
さらに学長の交代から、校内からの承認だけではなく政府からも正式な許可の取得申請に向かう必要がでたため、またゼロの状態に戻ってしまいました。

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ラオスの南部の大きな湖。お気に入りの一枚

ゼロの状態になってようやく気づきました。
まず圧倒的に「対話」が足りていませんでした・・・。

プロジェクトで教育問題の改善が見込めるかどうかだけでなく、
データや数値、アンケート結果が云々ということだけでなく、

現場の先生が本当に導入して実施したいと思うかどうか。
現場の学生が本当にそれ使って学びたいと思うかどうか。
みんながそれで本当に幸せに・笑顔になるのかどうか。

現場の皆と向き合ってじっくり「対話」をしていかなければ、いい事業モデルを思いついたとしても
いつか誰もついてこなくなってしまう可能性があるということに失敗からようやく身を持って理解しました。

事業を通して現地の方をもっと笑顔にしたいなら、その現地の方と「対話」を行わなければ、
「私の・私の理想による・私の望む実績のための○○」となってしまいかねません。
対話を繰り返すことで、相手に当事者意識が芽生え、強い味方となって下さる方も現れるかもしれません。

外国人の私が現地の先生・学生との距離を縮め現地の方々と同じ目線に立つためにも、
対話を忘れてはいけないということを強く感じた価値ある失敗でした。

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対話の重要性

ここまでの話が「現地人の・現地人による・現地人のための○○」という大切な3つの言葉に気づくまでの話でした。

一時的なテストやアンケート等から得た「現場の声・データ・数値」もたしかに大切なデータですが、
対話から得られる当事者の「本音・気づき・自発的行動」も逃してはなりませんね。

 

さて、既にここで留学開始から4か月経過していましたが、ここで諦めません。

これからどうしようかと考え、お世話になっている私の受け入れ先機関
「てっちゃんねっと・トレーニングセンター」のてっちゃん(吉田さん)のもとへ相談に行きました。

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てっちゃんねっと・トレーニングセンター

結局これからについての答えは当日には見つからなかったのですが、
ちょうど次の日にてっちゃんねっと(学校)の前の庭で、桜植えのお誘いをいただきました。

悩んで部屋にこもってしまうようでは、過去の自分に逆戻り。
桜植えがその瞬間の自分の目的ではないにしても、一歩踏み出せば何かあるかもしれない。
桜を植えることでいいことが天から降りてくるかもしれない。
と、前向きに考え早速向かいました。

4.桜植えから始まった新たな挑戦

桜植えに向かってみると、たくさんの人で溢れかえっていました。
てっちゃんねっとで学ぶ生徒たち、同じ敷地内にある高校の先生方、
そして日本から桜を上に来た方々、とあるラオスの小学校の学長の娘さん、
桜植えの職人の方。そして、てっちゃん。

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桜植えの様子。左から2番目が初対面のファさん

てっちゃんは、その中にいた元教え子のファさんという、小学校の学長さんの娘でありながら
副学長を務めている方へ、翌日のお昼の時間を利用して私を紹介し、繋いで下さいました。

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てっちゃんに紹介していただいた

そして、てっちゃんが話しを終えた後、突然の「レッツゴー」というファさんの合図に驚きながらも、
そのまま勢いでファさんの学校へ連れていってもらいました。
この時点で私は、見学してから決めるものだと考えていました。

見学だと思いこんでいた私ですが、ファさんは先生方全員を集め始め、何かを話し始めます。
私は状況がつかめず、テーブルの隅の席に座ってオフィスの前を通る小学生たちの行列をボーっと見ていました。

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ファさんの学校の小学1年生

ところが突然「あなた本当にやる気あるの?」という力強い問いが耳元へ届き、ふと我に返ります。
さっきまで外を眺めていた私は、その勢いに呆気に取られ、少々情けない声で「・・・イエス」。
再度「本当に?」という2度目の問いが返ってきます。

一連のスピード感に驚きつつも覚悟を決め、力強くもう一度「イエス!」で答えました。
その日からファさんの学校で、以前のように「基礎」に焦点を当てた映像授業などを作成していこうということになりました。

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ようこそ! (手前の青いものは私の相棒Surface pro3)

これが今に繋がる一番初めの出来事でした。

今回は前置きとして今の活動に繋がるまでをご紹介しました。

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初めての自己紹介の場

次回からラオスからのトビタテ便り「生徒でも先生でもない視点から見る教室」
ということで、連載のメインとなるお話をさせていただきます!

それではまた来週にお会いしましょう!

この人に、留学相談したい方は、Diverseasからどうぞ