カンボジアからのトビタテ便り3 〜学生マネージャ時々サムライ〜

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ホホウ! 本日の更新はカンボジアからのトビタテ便り3 〜学生マネージャ時々サムライ〜です。経営学という学問を超えた生のビジネス感、苦労、そして面白さ。彼女の生き様を要チェック!

トビタテ便りとは

トビタテ便りの詳細についてはこちらのページをご確認ください。世界中に留学しているトビタテ生から、週に1度1ヶ月の短期集中連載を行ってもらっています。ルールは2つ。「留学先の写真を載せてもらうこと」と「普通の友達には話せないような濃ゆい専門の話を思う存分ぶちまけてもらうこと」です。

5月のトビタテ便りは3人のトビタテ生に書いてもらっています。本日の便りは、カンボジアから。現地で「サムライカレー」にインターンし、バイトには逃亡され、家には泥棒が入り、それでも頑張る嶋村温子さんです。マネジメントの難しさ、面白さを語ってもらいましょう!

はじめに

前回は4つの経営資源のうちの一つ、「ヒトとモノ」について紹介いたしました。
 第1回目 ヒト編
 第2回目 ヒト(続き)・モノ編
 第3回目 カネ・情報編
 第4回目 マインド編
今回は「カネ」と「情報」のマネジメントを説明していきたいと思います。

本文

今回は下記のような構成で紹介していきます。

 

第1章 〜理論〜 カンボジアのマネジメント ーカネ編
第2章 〜実践〜 カンボジアのマネジメント ーカネ編
第3章 〜実践〜 カンボジアのマネジメント ー情報編
 

第1章 〜理論〜 カンボジアのマネジメント ーカネ編

カネ面の管理は一般的に財務官理論と呼ばれています。
企業においての財務は資金の調達や調達した資金の運用、管理の意味を指すことが多いです。

 

インターンシップ先では店舗の経理業務もしています。簿記の基礎知識はあったものの、飲食の財務はゼロの状態からスタートだったので最初は特に苦労しました。

 

当たり前かもしれませんが、飲食業界も原価率や費用対効果、ロス管理など数字について常に考えることは必須です。
飲食業界は初期費用がかなりかかるリスクの高い業界であり、ある程度の期間を設けて十分なマーケティング・リサーチが必要です。

 

注意しなければならないのが「カンボジアは物価が安い」、「初期費用を安く抑えられる」と日本と比較してカネのマネジメントをしてはならないということです。

 

高級店等は別ですが、日本と比べて売上も同じく少ないからです。
日本の店舗クオリティをそのまま持ってきても必ず成功するとは限りませんし、近年プノンペンでは日系含む飲食店が急増し競争激化している状態です。

 

だからこそ、カネのマネジメントもしっかり行わなければなりません。

 

前回の「モノ」と同様、「カネ」の管理は日本と同様の方法で行っているため、カンボジアの通貨や料金等を実践的に説明していきます。

 

第2章 〜実践〜 カンボジアのマネジメント ーカネ編

 

カネのマネジメントでは以下の3部構成で日本とは違う点を紹介していきます。
●通貨
●水道光熱費
●画期的!?な送金システム

●通貨

左写真のとおり、実はカンボジアは自国通貨のリエルと米ドルが併用されている二重通貨国です。

 

しかしながら、首都のプノンペンをはじめとした都市部では圧倒的に米ドルの方が流通しており、カンボジア全体で見ても決済の8割以上が米ドルによるものだと言われています。

 

現金通貨の90%以上がドル、貯蓄についても預金の97%以上がドルです。
日常生活では通常1ドル以上を米ドル、1ドル以下を自国通貨のリエルとして使われています。

 

 

なぜ米ドル化されたのか。

 

 

この経緯には、カンボジアの歴史に触れることになります。
そのことについて書くとかなり長くなってしまいますので、ここでは簡単に説明させていただきます。

 

1979年にポル・ポト政権が崩壊しました。
ポル・ポト政権は原始共産制を目指し、カンボジアの私有財産、(中央)銀行や貨幣など金融制度を廃止していたため、現地通貨の信用度はほぼありません。
そこで国際連合カンボジア暫定統治機構(UNTAC)による大規模な国際的な支援が実施され、援助資金として大量のドル現金が流入しました。

 

また、その後も多くの海外援助やNGO資金(ドル)の継続的な流入などにより、ドル化が進みました。
1980年に新通貨リエルが再導入されましたが、まだまだ信用度は低く自国通貨以上にドルが利用されていました。

 

カンボジアでの法定貨幣は自国通貨リエルであり、ドルを公式の法定通貨として認めているわけではありません。
しかし、カンボジアの通貨使用の状況は「事実上のドル化」となっています。
6831612014年9月21日chiangraitimes掲載(http://www.chiangraitimes.com/
タイ海軍の現役軍人2人を含むタイ人3人が額面総額約700万米ドルに及ぶ偽米ドル札を所持していて逮捕された。

 

そして、米ドルが流通されているとと同時に多いのが偽札です。
少し前までは$50や$100は偽札の疑いが高いと言われていましたが、最近では$20や$10にも偽札が混入されている場合が多いです。
そのため、上記のような高額紙幣を受け取った場合はしっかりと確認し注意しましょう。

 

紙幣の確認方法は、
①軽く指でなぞって文字などの凹凸の有無を確認
②紙の質が良いか
③透かして裏の肖像画が映るか
多くのレストラン、スーパー、ホテルは必ず上記のような方法で確認しています。
知り合いの方も偽札の被害に遭った方もいます。
それほど偽札は出回っているのです。

 

IMG_20150408_124446【おまけ】たまにこのような落書きがされている紙幣をゲットすることも。。。

 

 

●水道光熱費

①電気
カンボジアと聞くと、日本と比べて物価が安いと思う方が多いと思いますが、電気代は非常に高いです。
日本と同じ、または日本以上の電気代がかかります。

 

カンボジアは電力供給の要となる送電網が全土に発達していないために、隣国のベトナムやタイからの電力の輸入が主な電力源であることが原因です。
この不安定な供給事情によって停電が頻繁に起こります
プノンペンは改善されてきましたが、乾季後半である3~5月は日中の気温が35~40度とかなり暑く、多くの施設や住居でエアコンを使うため停電が多いです。
インターンシップ先でも停電は何度かあり、ひどい場合は8時間ほどストップしたままでした。
私の住んでいるアパートも何度も停電します。。。

 

そのため、発電機を備える店舗やアパートやマンションといった住居も少なくありません。
電線
このような電線の状態も停電の原因の一つかもしれません。怖いです。

 

現在、隣国からの供給を確保する方向で送電網の整備が急速に進められているそうですが、今後国内電気料金の引き下げに繋がるかは不透明です。
②水
電気代をご紹介したところで、水はとても安いです。もう一度言います。安いです。
安いためか水道代は2ヶ月毎に請求が来ます
自宅のアパートでは2ヶ月でだいたい5ドルほど、つまり1ヶ月でたったの2.5ドルで済みます。
インターンシップ先の店舗では、上階が研修生の滞在先として使われていても全体で2ヶ月20ドルくらいです。

 

そして、日本同様カンボジアの水道水はそのまま飲める基準に達しているのです。
ただし、水道管が衛生的であるかは不明なので飲むのはおすすめしませんが、出てくる水は透明で歯磨きやうがいをする上では安全です。

 

 なぜカンボジアでは水が飲めるのか。しかも安いのか。

北九州市水道局(Ministry of Foreign Affairs of Japan http://www.mofa.go.jp/policy/oda/white/2013/html/column/column04.html)

この答えには日本の北九州市上下水道局、JICAによる支援が大きく関わっています。
詳しくは「プノンペンの奇跡」と検索してみてください。

 

 

②ガス

 

水道・電気とは違い、ガスは公的な手続きは一切ありません。民間のガス店よりガスタンクを購入することになります。大家さんやガス店に連絡をしてガスタンクを配達、接続してもらいます。

 

一般家庭用のガスタンクは初期にボンベを購入する際60ドル~かかり、次回からの詰め替えの際15kgで15~20ドルかかるそうです。
店舗ではガスをかなり使うので詰め替えは何度か利用していますが、家庭では(そこまで料理をしないのもありますが)未だ交換したことはないです。

 

 

●画期的!?な送金システム

上記で説明した水道代と電気代といった公共料金、ネット通信・TV受信料、新聞購読料、保険料といった支払いを行うとき利用されているのが携帯電話を利用した送金サービスを提供しているWing社です。
Wing社はオーストラリア政府からのAusAIDから150万オーストラリアドルの援助により実現した、オセアニア第3位であるANZ銀行の100%子会社です。
インターンシップ先の店舗の各種支払いもWingを利用しています。
WingWing2(Wing send and receive money  http://www.wingmoney.com/)
①送金、②ATMでの現金引き出し、③ATMへの現金清算する、④請求書支払い、⑤携帯電話料金のチャージが利用できます。
 携帯電話による支払い方法は非常に簡単です。
①自分の携帯番号、②支払い先の電話番号、③現金の3点をWingの取り扱い店舗に持っていくだけで支払いが可能です。

 

7-Wing_Business 取り扱い店舗はカンボジア国内で約2,000店舗あると言われています。

 

クレジットカードの代替として安価な携帯電話を活用したサービスは、今後カンボジア全域に広がるでしょう。

 

 

特にカンボジアの地方や田舎の方は送金サービスのある金融機関には限りがあるため、2014年にWingが扱った取引金額総額は15億ドル、内10億ドル以上が送金サービスで、最も利用頻度が高いサービスです。

カネのマネジメントについては以上になります。
まとめ
・カンボジアの通貨は事実上ドル化されている。
・米ドルという高級紙幣が流通されているため、偽札が多い。
・電気代は隣国の輸入への依存や頻繁な停電等課題はたくさんあるが、水道代は先進国並みの質と安さである。
・決済方法はクレジットカードの代替として、携帯電話での決済システムwingが主流である。

第3章 〜実践〜 カンボジアのマネジメント ー情報編

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他の東南アジア諸国と比べてまだまだ情報量の少ないカンボジア。
しかし、Wi-Fi環境は他の東南アジア諸国よりも整っています

 

カフェやレストランに入ればFree Wi-Fiがほぼ当たり前、中にはローカルの屋台食堂でもWi-Fiを利用できます。
むしろ「Free Wi-Fiあります」と宣伝している飲食店、カフェは少ないです。
インターンシップ先でも最初は店頭で宣伝していましたが、「どこでも利用できるのが当たり前」プノンペンはかなり進んでいます。

 

そういった環境で、情報収集源となるのがFacebookです。
左図、下図を見ていただくと、1日5centでFacebookの使用無制限サービスを行っているプランもあります。
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このプランを行っている会社はSmart Axiataで、カンボジアで2番目に利用者が多い移動体通信事業者となっています。昨年(2014年)からカンボジア初のLTEサービスも開始している勢いのある企業です。

 

現在カンボジアには7社もの移動体通信事業者が存在し、2013年以降から移動体通信事業者の撤退、統合、参入など再編の動きが活発です。

 

話を戻しますと、Facebookのみ利用できるプランがある、需要があるということは、この国にとってのFacebookの重要性は非常に高いことがわかります。
気がつくと、タイムラインを閲覧していたり、セルフィー画像をアップしたりする人を多数見られます。
カンボジア人と友達になると、1,000人以上の友達がいる人も少なくなく、日本よりも圧倒的にFacebookが利用されています。

 

そこで情報のマネジメントにおいて重要になるのもFacebookということになります。
お店のFacebookページを作成し、日々更新して「いいね!」数を増やす。
その宣伝効果がどこまであるかは不明ですが、一度カンボジア人に対して広告宣伝を行うとものすごい下図の「いいね!」がつきます。
つまり、お店の認知度は高まります。

 

カンボジアの若者に宣伝するにはとても効果的なプロモーションであり、今では飲食店、カフェにとどまらず通信会社や自動車、バイクの企業も利用しています。
自社のウェブサイトを作らずにFacebookページのみの会社も見られます。
新興国でのビジネスにおいて、Facebookは非常に重要な情報収集源なのです。

 

 

最後に

最後までお読みいただき本当にありがとうございました!
またまた長文となってしまい、申し訳ございません。。。

 

私が今回一番伝えたいことは、
①新興国でも簡単に手に入る携帯電話を通して、その国に合うサービスを提供していること。
②ネット環境が整っているため、誰もが様々な情報を得られること。
先日(2014年3月)、堀江さんが近畿大学の卒業式スピーチでもおっしゃっていたように、
インターネットによって世界中の人々が同じフィールドに立つことになります。
情報のマネジメントは歴史が浅いですが、今後ますます重要になっていくでしょう。

 

次回は最終回!
最後はマインドです。
まだまだ滞在機関も8ヶ月少しですが、どういった心構えが大切か自分なりにまとめたいと思います!

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