宇宙芸術とよばれる、壮大な宇宙をコンセプトに据える芸術の創造は、人間と宇宙の連関に気づきを生み出し、自分の生きる世界の豊かさや美しさを発見していくプロセス

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宇宙芸術研究部会「ウユニバース-離島の多元宇宙-」 (種子島宇宙センター, 2014)
©Cosmic Art Research Committee

 

田中ゆり(Yuri TANAKA)

ホホウ! 本日の更新は田中ゆりさん(多様性人材コース/オーストリア・イスラエル)の日本代表選手紹介記事です! やっていることは宇宙芸術!? 一体何がなんだかわからない僕と一緒にお話を伺ってみましょう。要チェック!


筑波大学、University of California, Berkeleyでの交換留学を経て、東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。瀬戸内、直島での島民生活を通じて、地域協働やキュレーションに携わる。現在、東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現研究領域博士課程、世界各地でアートプロジェクト等を展開する。環境芸術学会事務局、宇宙芸術研究部会部会長。

留学概要

2015年4〜9月 Ars Electronica, Futurelab (Linz, Austria), Researcher in Residence(滞在研究員)
2015年10月  66th International Astronautical Congress(第66回国際宇宙会議/ Jerusalem, Israel)にて研究発表

留学の経緯

それはある、上野の杜に桜咲く春の日のことだった。入学式で研究室の指導教官より、締め切りは来週だけど、受かれば奨学金も出るので留学したらどうかしら?と、声を掛けられたのがそもそものはじまりである。思いがけぬ出来事だったが、機会があるのならばいざ、破竹の勢いで応募書類を作成した。
しかし、留学先を提示するには、invitation letter(紹介状)あるいは受け入れを示す書面が必要だ。自分に残された時間は一週間ほどしかなかったため、思い当たる人々、つまり自分の目指すところの第一線で活躍されている人々に相談を繰り広げた。そこで、快諾してくださったのがArs Electronica(アルスエレクトロニカ)という、1979年からオーストリアのリンツ市と連携してアート&サイエンスをテーマにフェスティバルや研究開発を継続的に行うハイブリッドな組織だった。
アルスエレクトロニカとの関係は、時を遡れば、2008年、東京大学在学中にArs Electronicaが開催するフェスティバル内の企画展である、キャンパス展(サイエンス&アートにかかわる大学の活動紹介を目的とした展示)に招聘していただいたことに起因する。

Ars Electronica Campus 2008: Hybrid Ego – The University of Tokyo

さらに奇遇にも、学部で筑波大学を卒業した縁もあり、再度2011年にキャンパス展の企画協力として招聘していただいた。

Seriously Playful / Playfully Serious: Campus Exhibition 2011 – University of Tsukuba

当時は思いもよらなかったが、改めてリンツに身をおくことができたことは、上記のプロジェクトにかかわり、機会をくださった方々の真摯な力添えに他ならず、感謝に尽きない。人生で起こるすべてのことは、想像を超えて本当に不思議な因果を紡ぐものだ。

また、International Astronautical Congress(国際宇宙会議)は航空宇宙工学をはじめ、宇宙科学、宇宙医学、宇宙建築、宇宙芸術など、宇宙にかかわる多様な領域にわたるプロフェッショナルが例年3,000人ほどが一同に集いあう、International Astronautical Federation(国際宇宙連盟)が主宰する国際会議である。宇宙の多様性や普遍性を実感するとともに、触発と創造に溢れる素晴らしい場だと感じている。開催場所は毎年投票によって決められるのだが、今年は欧州から至近のエルサレムが会場であり、研究発表も無事採択されたためそのまま赴くことにした。

なお、応募書類の執筆にあたっては、作成時は具体的な計画が立てられる状況でなく、計画もほとんど仮のものだった。ただし、応募理由や志には偽りのない渾身の思いを投入した。おそらく宇宙に懸ける情熱を受け取ってくださったのだろうか、いずれにせよ嬉しいものである。

留学目的とその心

1)世界的に活躍できる人材を目指し、国際的な活動を行う現場で経験を積む。
2)宇宙仲間を発見し、つながりを創出する。

以上のふたつが主な目的である。

また、留学への志について、応募書類の文章を少々編集して以下に綴る。これらが、少しでも今後世界を志す方々の参考になれば幸いに思う。

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私の夢は、宇宙を平和にすることだ。宇宙平和というと、一見壮大すぎるイメージをもつかもしれないが、自分の傍にいる身近な人や家族を大切にしていくことからはじまりまる。ミクロコズムとマクロコズム、森羅万象の宇宙。宇宙芸術とよばれる、壮大な宇宙をコンセプトに据える芸術の創造は、人間と宇宙の連関に気づきを生み出し、自分の生きる世界の豊かさや美しさを発見していくプロセスである。

その夢に向かう具体的な手法として、私は宇宙芸術という可能性を見出した。それは多様な領域の人々と協働して共感を生み出しうる、とても創造的な手法である。それらの実践を通じて人の心を豊かに耕していくこと、心の触発を通じて社会のエネルギーをプラスの方向に変容していくことを大切に考えている。

また、将来は大学などを拠点に国際的、かつ国を超えた宇宙的な視点からプロジェクトを担うような研究実践者に成長したいと考える。留学をひとつの契機として、世界を舞台に活動し、貢献することのできるしなやかさとバランス感覚を養うことを希望する。

誰人に対しても尊敬の念を抱き、誠実に接するというモットーのもと、未だ見ぬ人々と出会い、未知なる可能性に満ちあふれた宇宙芸術への挑戦を続けたい。そして、それらの情熱は誰にも負けない気概である。

留学相談したい方は、留学codeからどうぞ

3 件のコメント

  • こんにちは
    突然失礼いたします。
    私、東京大学工学部に所属している大学4年生です。

    奇遇にも私もJAXAのプログラムの一環で、今年IACに参加しにエルサレムに訪れる予定です。
    私は理系ど真ん中である一方、田中さんは芸術という一見科学の対極にあるような側面で宇宙に興味があるようで、私大変興味深く思っています。
    こうして田中さんを知ったのも何かのご縁だと思いますので、もしご都合がよろしければ現地のエルサレムで直接お話しできたらと思います。

    よろしければ自分のアドレスにご連絡ください。

    塚田

    • 塚田さん

      返答が遅くなってしまい大変申し訳ありません!
      遅ればせながら、今さらコメントを拝見しました。。

      はい、ぜひエルサレムでお会いしましょう!
      もしよろしければ下記サイトに表記された連絡先にメールいただけないでしょうか?
      http://www.iead.org/bukai/cosmicart/cosmicart.html

      どうぞよろしくお願いいたします。