植物幹細胞のメカニズムの解明

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ホホウ! 本日の更新は元満 文音(モトミツ アヤネ)さん(自然科学コース/シンガポール)の日本代表選手紹介記事です。遊びや交流はもちろん、植物の幹細胞について研究してきた彼女の計画を要チェック!

基本情報

トビタテ1期生 自然科学コース(生物専門)
留学先:シンガポール
機関:TEMASEK Life Sciences Laboratory
期間:2014年8月25日~2015年2月17日
所属:熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻生命科学コース修士1年(学部3年から修士1年へ飛び級)
部活:テコンドー部(九州学生大会優勝)
趣味:海外旅行、エレクトーン、ダイビング
出身:福岡(福岡高校)

留学の概要

私は研究留学を目的にシンガポールへ行ってきました。そうです。流行りの理系女子です。マイノリティが好きなので、最近メディアに取り上げられてメジャーになりつつあるのはちょっと不服ですが(笑) で、何の研究をしているのかと言うと簡単に言うなら「植物の幹細胞」です。ほとんどの方が「は!?何それ??」と思われるでしょう。最近、iPS等で有名になった幹細胞ですが、動物同様、植物にも幹細胞が存在しています。この幹細胞が周りの細胞に指令を出すことで細胞分裂をコントロールし、植物は生長していきます。しかし、植物幹細胞のメカニズムは未だによく分かっていません。そこで私はメカニズムの解明を目標に研究をしています。「何の研究をしているかは分かった。じゃあ何でそんなことを研究する必要があるの?」そう思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。基礎研究でよく聞かれるのが「そんな研究をして何になるの?」です。両親・親戚から大学で何をしているか聞かれて回答しても「ふ~~~ん」で流されることがよくあります。「よく分からんけど、すごいね(棒読み)」です。私の説明が下手なせいでもありますが(笑) そこで私の研究が将来どんなことに役立つのかざっくりと挙げてみます。「砂漠の緑化」 「農作物の自給率向上」 「化粧品開発」 「漢方薬への応用」 とこんな感じです。順に説明します。まず「砂漠の緑化」ですが、近年伐採や環境の急激な変化により砂漠の面積が増え、早急な対応が必要とされています。そこにこの「植物幹細胞」の研究が活きてくるわけです。具体的にどういうことかというと、植物の根に根端分裂組織という幹細胞の1種が存在しています。この幹細胞のメカニズムが分かれば、植物の根を通常の何倍も伸ばすことが可能になります。また砂漠のような水の少ない土地でも生きられるように吸水率を上げることも可能です。砂漠という環境での植物の生育が難しい原因の一つに1日の中での温度変化が激しいことが挙げられます。植物にはそれぞれの種に最適温度があるため、それ以外での生育は難しいのです。そのため、留学中は日本での研究に加え、「温度と幹細胞の関連性」の研究も行いました。そのために丸3日間顕微鏡を覗き続けたこともありました(笑) そんなこんなで温度変化の激しい地域での植物の栽培を可能にし、地球温暖化を食い止めたいという思いも研究の原動力になっています。次に「農作物の自給率」についてですが、これは日本に限った話ではありません。日本の自給率が低いことも問題ですが、地球環境の変化により世界各国で農業被害が出ているという事実もあります。そこでも「植物幹細胞」が活きてきます。植物幹細胞の研究をしていくうちに、植物はどういった環境を好むのか・嫌うのか、どういった外部刺激があると生長が速くなるのか、どうすれば一度にたくさんの収穫を得られるのか、等々が分かってきます。それらを植物分子生物学的に解明することで、農業へフィードバックし、「少ない労力、短時間、低コストでたくさんの収穫」が可能にできると考えています。また「化粧品開発」についてですが、私も毎日化粧品を使っているので関心が高い分野の一つです。植物幹細胞から化粧品?と思われるかもしれませんが、最近はそういった化粧品も出始めています。「肌に直接触れるものなので化学製品はちょっと、」と思われる消費者も多いのではないでしょうか。そんな時にこの「植物幹細胞」がいいんです!どういう事かと言うと、この植物幹細胞は細胞分裂を活性化させる働きもあるんです。もしこの植物幹細胞が肌の細胞分裂も活性化するとしたら、女性に嬉しいことだらけなんです!シミ・ソバカスの撃退 日焼けダメージの修復 ハリ・透明感のある肌 なんてことが可能になるんです。最後に「漢方薬への応用」ですが、現在日本で販売されている漢方薬の原料の大半が中国産です。そりゃもちろん中国発祥の漢方なんだから中国産で当たり前だろと思われるかもしれませんが、これからはちょっと違います。ご存知の通り、中国は現在信じられないようなスピードで成長しています。その副作用で原料の栽培環境や生産者の労働環境も著しく変化しているのです。海外との貿易が増えたことにより、原料の乱獲が増え、それに伴い荒地も増えてしまい、漢方薬の安定的な供給が厳しいのです。生産者も目先の利益を優先するあまり、質の低下を気にせず収穫量のみに目が言ってしまっている状況だそうです。そこでこれからは漢方薬の原料を国内生産化する動きがあります。そこで大きな壁となるのが栽培環境の違いです。日本に比べ、中国はとても広大で様々な環境があります。そんな環境で育っている原料を日本の限られた環境で育てるには大きな困難が待ち受けていると思います。そこで「植物幹細胞」の研究を使うのです。この幹細胞は温度の影響を受けることが留学中に分かってきました。(まだ断言はできません)そういった外部刺激と植物の関係性を研究することで、限られた環境での漢方の原料を栽培を可能にすることができます。長々と書いてしまいましたが、こういったことに応用ができるよう基礎研究を行っているわけです。

留学中の出来事

もちろん平日は研究三昧でしたが、休日は日本ではできないくらい遊びまくりました。(※研究はちゃんとしてますからね)
というのもシンガポールは月20万円の補助でしたが、かなり節約して1月10万程度しかかからないようにしたのです。
1ヶ月の収支 1S$=87円
収入:計2,300S$(20万円)
奨学金=2,300S$

支出:計1,063S$
家賃=550S$
交通費=60S$
食費=50S$
保険=383S$
携帯=20S$

とこんな感じです。一番の問題はやはり家賃。東京都23区と同じくらいの面積のとても小さな国に540万人もの人々が住んでいるため不動産関係は意味が分からないくらい高額。そこで始めはシンガポールでもかなり端っこに住んでいたのですが、通学に1時間近くかかってしまうため3ヶ月目に引っ越しました。それはもう必死で探しました。ネットで物件を検索し、その後大家さんに連絡を入れまくりました。そこでかなりの掘り出し物件を見つけたのです。シンガポールではメジャーなコンドミニアム。24時間警備体制のしっかりとしたセキュリティにプール、ジム、BBQピット、テニスコート、ビーチバレーコート、アスレチック付きの高級マンション。普通なら月10万する部屋を二人でシャアということで5万程度で借りれたのです。ちなみに写真↓
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どんなに安くても月7,8万、日本と同レベルの暮らしをしようとするなら最低10万はかかるはずの家賃を抑えられたことで私の留学はよりよいものになりました。(やはりお金は重要) 半年の間にマレーシア3回、タイ3回、カンボジア、ベトナム、インドネシア、スリランカ各1回訪れることができました。現地ではリアルな文化に触れることができ、人々の温かさや厳しさも直接感じることができました。自分の知らない世界がたくさん広がっていて、視野がこれまでの比じゃないくらい広がりました。
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知らなかったことを知れる。直接肌で感じることができる。こんなに嬉しいことはありません。
この記事を読んでくださってる方々、これから留学を考えている方々、是非とも本来の目的以外にも多くのことに挑戦してみて下さい。世界には面白いものがたくさん転がっています。それらに目を向けてみることで新たな発見があるかもしれません。ではでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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