「20世紀初頭におけるオペラ演出の位置づけ」をテーマとした博士論文の執筆のための資料読解能力・考察力の習得・資料調査

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本日の更新は大矢未来さん(世界トップレベル大学等コース/オーストリア)の紹介記事です。ドイツオペラを研究する博士課程の学生だってトビタテで留学出来ちゃいます。濃いい留学計画を要チェック!

  • 基本情報

 

トビタテ!一期生
東京藝術大学大学院音楽研究科 音楽文化学専攻(音楽文芸)
博士後期課程在籍中

専門はドイツ語圏のオペラ。

  • 留学計画(応募書類から一部抜粋)

概要

受け入れ先:ウィーン大学(University of Vienna)
留学期間:2015年02月〜2016年1月
本計画の目的「20世紀初頭におけるオペラ演出の位置づけ」をテーマとした博士論文の執筆のための資料読解能力・考察力の習得・資料調査である。具体的には、以下の三点を中心とする。

①上級レベルのドイツ語能力の習得:語学コースの受講・ゼミナールへの積極的な参加・指導教員の個人指導
②舞台制作の現場を踏まえた考察力の習得:上演・劇場の現場を含むゼミナールへの参加
③未出版資料・一次資料の調査:オーストリア演劇博物館・オーストリア国立図書館での資料調査

・留学の成果とその後の展望
1.学術研究:博士論文の執筆・学位取得は、本留学の最大の成果となる。博士論文の目的は、未だに音楽にとどまりがちなオペラへの観方を、演出を含めた舞台芸術へと転換する点にある。将来は、オペラというジャンルがそもそも学際的である点を生かし、異分野の研究者を結びつけ、プロジェクトを牽引する研究者として活躍したい。
2.実践現場への応用:舞台芸術の研究者として上演スタッフの一員となり、創造的な上演に貢献する。具体的には、演出家や出演者などに作品や過去の上演に対する資料提供・観客に作品や上演のコンセプトなどの解説を行う。

留学の志

申請者は留学によって、舞台制作の現場を立体的に捉える考察力を持つ、学際的・国際的な研究者になりたいと考えている。その具体的な内容は、以下三点である。
第一に、考察力を磨くことで、博士論文をこれまでの論文より説得力のある内容に仕上げることである。これまでの研究は、文献や楽譜、資料の分析等のいわば机上の作業が中心であった。しかし、この研究の対象は、オペラ演出―つまり、作曲家と台本作家、演出家をはじめとする舞台を制作する様々な人々の協働によって生み出されたものである。そのため、これまで、分析結果と舞台の現場とが結びついた考察が行えず、説得力不足になってしまうことが問題であった。ウィーン留学によって、舞台制作の現場で活躍する人々の身近で、自分自身も実際にそのような現場を体感することで、この問題を解決したいと考えている。
第二に、研究者としてオペラ演出の意義を、観客に紹介することである。確かにオペラは音楽があって初めて成り立つものだが、これまで視覚に関わる演出の紹介はあまりにもおろそかにされてきた。特に日本ではオペラが劇場で上演されるというより、CDやレコードといった音の媒体で普及したため、その傾向が強い。しかし、演出はその都度作品の意味を方向づけ、観客に提示するものである。演出が提示するテーマは、同じ作品であったとしても、現代の社会問題や心理的な問題など様々である。その意味を知ることで、オペラの鑑賞体験はより豊かになる。ゆえに、申請者は研究者として、演出の意義を積極的に紹介していきたいと考えている。
第三に、将来、海外の研究者との共同研究を牽引することである。日本のオペラ研究は、歴史も浅くその層も薄いため、ヨーロッパの追随研究になりがちである。しかし、日本人だからこそ、既成の枠組みにとらわれない自由な発想を持つことが出来る。特に、申請者の研究テーマである「演出」という視点は、音楽や文学にとどまらず、舞台に表されるものによって、政治学や心理学等の異分野をも結び付けうる。そのため、留学で身に付けた語学力を生かし、国内外の研究者と協力し学際的な研究を推進していきたいと考える。
以上の三点を実現するためには、留学を通じ、優れた外国語能力、資料の収集、舞台制作現場に基づく考察能力を身に付けることが必須である。学際的・国際的な研究者として上演に貢献するのみならず、一つの上演をきっかけに観客が共に「考える」劇場文化の担い手となりたいと考えている。

コンタクト

miuoy33[at]gmail.com

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